『模倣の殺意』 (中町信・創元推理文庫777円)
「七月七日の午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリによる服毒死を遂げた。遺書はなかったが、世を儚んでの自殺として処理された。坂井に編集雑務を頼んでいた医学書系の出版社に勤める中田秋子は、彼の部屋で偶然行きあわせた遠賀野律子の存在が気になり、独自に調査を始める。一方、ルポライターの津久見伸助は、同人誌仲間だった坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され、調べを進める内に、坂井がようやくの思いで発表にこぎつけた受賞後第一作が、さる有名作家の短編の盗作である疑惑が持ち上がり、坂井と確執のあった編集者、柳沢邦夫を追及していく。」
著者が絶対の自信を持って読者に仕掛ける超絶のトリック!記念すべきデビュー長編の改稿決定版。なんと40年以上前の作品ですが、今あらためて評価され、売れに売れております!
1971年に第十七回江戸川乱歩賞に応募した時は『そして死が訪れる』というタイトルで、その後『模倣の殺意』『新人賞殺人事件』『新人文学賞殺人事件』と改題して出版されてます。そしてようやく改稿決定版として誕生したのが本書となります。
ミステリーファンの中には本書を読んで「このトリック知ってる!」という方もいらっしゃるでしょう。私も他の作品で使われてるのをすでに経験してました。しかしそれでも騙された(笑)中町信さん、すごく巧みなんですよ~見事にやられました...そして面白かった!しかも40年以上前にすでにこれを作ってた、というのが凄い。もっともっと評価されるべき!
ということで当店でドドンと展開中!絶対読んで下さい!ミステリーオタクのweb担当が超お薦めする一冊!