『徳島市街詳地図』(小山東洋著・小山助学館発行・500円)
弊社は1906年(明治39年)に創業しました。その年、創業者・小山弥平により作られたのがこの『徳島市街詳地図』です。(「小山東洋」はペンネームです)
漢学者だった弥平は、本を書いて出版社に売り、それを元手に書店を開業しました。「人々の学問の助けになりたい」という想いから社名を「助学館」とし、その志は100年以上経った今も受け継がれております。しかし、当時は地方にまで本が流通せず、新刊も続々と出るわけではありません。そこで、自ら本を作り、売ったのが、弊社の出版事業の始まりであり、その一つがこの地図なのです。
徳島駅を中心に、南北は秋田町から旧下助任村、東西は旧安宅村から旧佐古村までの範囲が描かれ、学校・病院・旅館・その他、主な施設名が記された、100年前の徳島を知る上で貴重な史料です。
徳島市街詳地図を持って、当時の名残を探します。徳島市街詳地図今昔、第4回は「道しるべ その2」です。場所は助任橋を北に渡って2つ目の交差点の北東側にあります。
これは前回ご案内したその1よりも目立ちません。
南面です。「高野山五十六里、四国第一番霊山寺江三里、同第十八番恩山寺江三里、同第十九番立江寺江四里、撫養岡崎江四里、へんろみち」
東面です。「吉、出雲、伊勢、讃岐、同」、あとは文字のところが剥がれて読めません。
西面です。「施主助任町、明治■十年丁酉十二月吉日大村万平」 ■の部分は剥がれていますが、丁酉ということで明治三十年と判断しました。
北面は何も書かれていません。
この地図の発行は明治39年です。当時はここに師範学校がありました。北面に何もないということは、学校の塀に背を向けて立っていたのではないでしょうか?
この道しるべは、助任橋を北に渡って2つ目の交差点の北東側にあります。
徳島市街詳地図今昔、第4回は「道しるべ その2」でした。
今後も徳島市街詳地図を片手に、「100年前の徳島」を探します!